この記事では、我が家の長男の話をします。
地方国立大学に入学し家から離れ下宿生活を送っている長男ですが、1年次の終わりに大学から送付された成績通知書には、次のような文言が入っていました。
「1年次における習得単位数が不足しているため、2年次以降の学部キャンパスでの開講科目を受けることができません」
「この機会にご本人と学修面を含む現在の状況や大学生活全般について話し合ってください。」
同封された成績通知書は不可の嵐。
心が無になる瞬間でした。
この記事は「大学生の息子が留年!親として対応したことや息子にかけた言葉。」と題してお届けします。
留年は決していいことではありませんでしたが、親として子どもの留年に対応したことは決してマイナスなことばかりではありませんでした。
息子にいい言葉をかけてやれたかはわかりませんが、息子は息子で自分の人生を歩み始めたように見えるので、これはこれで良かったのかもしれません。
我が家の長男が留年した時の対応がどなたかの参考になればうれしいです!
もくじ
大学生の息子の留年が決まった時に親として対応したこと

あの成績通知書を見た時の衝撃はなかなか強烈なものがありましたが、時間が経った今、その時の自分に駆けたい言葉とすれば、「そんなに気に病む必要はないよ」という言葉です。
あんなに悲しい気持ちになる必要なんてなかったと今は思います。
親の方針を決める
「どうやら息子は留年することになりそうだ」とわかった時、私たち夫婦はまず親の方針を決めようと話し合いました。
留年の理由はいろいろあるかもしれません。
「入学したものの、大学生活が自分には向いていなかった」
「そもそも大学なんて別に行きたいとも思っていなかった」
「大学よりも面白いことを見つけてしまった」
親の私たちとしては、ずるずると留年を重ねてしまうことは避けたかったので、次の2点を共通認識とすることにしました。
決断する時期を明確にする
子育ての最終目標は、独立して生計を立てていくことです。
大学で学び、その知識を基に就職するために大学進学という道を選択しましたが、入学してみて自分に向いていないと感じるのであれば、方向転換をしてもいいわけです。
我が家は、留年は1回までと決めました。
なぜなら、中退して仕事をする場合を考えた時に、高校を卒業して3年以内なら新卒採用枠の求人に応募できるからです。
年齢制限のある公務員試験も、既卒3年以内ならその資格を満たせます。
ずるずると留年を重ねること、無職やフリーターなど身分の安定しない大人になってしまうことを何としても避けたいと考えていたので、まずは、今度の前期テストの結果で中退するのか、大学生活を継続するのかを決めることにしました。
援助する教育費用の範囲を明確にする
親にだって将来設計があり、教育資金も無尽蔵ではありません。
ですので、留年のために余計にかかる費用は自分で工面することとしました。
もちろんすぐに自分で出せ、というわけではありません。
残りの大学生活の間に学費をバイトするなりで貯めればいいわけです。
特に、我が家には子どもが3人います。
第一子だからといって長男だけに特別に費用をかけることは難しいことです。
大学生はバイトもできますし、学費を稼ぎながら通学している学生も少なくはありません。
心構えとしては、わかっていてほしいと考えました。
留年した理由を洗い出す
長男の卒業を目指したいという意思を確認したので、次は再発防止策の検討をしました。
母親である私の感情を入れこまないため、この作業は夫と長男で淡々と行いました。
この状態で単位をとれていたらびっくりしますよね。
大学側からは正しく評価をされている感じしかありません。
当然ですが、国立大学の矜持を感じます。
今後、単位をとるためにやるべきことを明確にする
普通に大学生活を送る。
この一言に尽きる気がするのですが、それでは意味がない(足りない)ので、今後のやるべきことを明確にしました。
特別なことは何一つありません・・・。
随時振り返りを行い、現状を確認する
いちばん大切なところです。
4月の1か月でこの状態。大丈夫なんだろうか???ほんとに何を考えているんだろう(謎)?
少しづつではあるものの、進歩がみられてきた気がします。
ですが、この期に及んでなお、課題に手を抜くという気持ちはよくわかりません。
あとは前期テストに向けて、しっかり大学に通い、復習をして課題を提出すれば大丈夫!
・・・残念ながら、親の期待通りにはいきませんでした。
【2回目の1年生】前期テストの結果がわかる
前期テストで、中退するかどうかを決断しようねと話し合っていました。
前期テストで必修科目を落としてしまうと、また来年も1年生の科目を選択しなければいけません。
長男の通う大学はいわゆる「たこ足大学」なので、1年次で受ける科目が開講されるキャンパスと、2年次以降の専門科目を受講するキャンパスが離れています。
電車や高速バスでは片道1時間半くらい、車だと1時間弱くらい。往復すると3時間の時間が必要となります。
ですので、次の学年で、授業の合間に「再履修の科目を受けてくるわー」と簡単に受けに行くことができないのです。
前期の必修科目を落としてしまったら、2留がほぼ確定してしまいます。
そんな事情もあり、2回目の前期の単位はかならず取っておいてほしかったのです。
親の心、子知らず。
2回目の1年生の前期が終わり、大学から成績通知書が届きました。
私は暗い気持ちで通知書を確認しました。
なぜなら、長男から事前に衝撃の事実を告げられていたからです。
「ごめん。実は英語のテスト、受けられなかった。」
反応に困る・・・
「あと、教養科目もだめかもしれないのがある。でもそれは後期で再履修できるから大丈夫だよ。」
いや、無理でしょう。
ということは、もう大学は辞めるって方向でいいってことだよね?
「もう一回チャレンジさせてほしいんだ。」
え?
届いた成績は、なんとも中途半端。
これから頑張れば、なんとか形になるかも。いや、どうかな、やっぱり無理かもね、というようなもの。すっきりしない成績。
何も判断できません。
長男の主張
開いた口がふさがらない、非常にもやもやの残る私たち夫婦でしたが、長男の主張には耳を傾けてみました。
まずびっくりしたのが、「1年くらいは留年してもいいかなと思っていた」という言葉です。
大学に入学して、下宿生活といえどほぼ一人暮らし。
とっても楽しかったそうです。
ゲームをしてても何も言われない。
朝も夜も自分の好きな時間に起きたり寝たりできる。
大学に行けばそこそこの知的好奇心が刺激される。
何これ、最高!!
そう思っていたというのです。
ですので、1年生の時の成績がダメダメでも、全然気にならない。
なにしろ、本人にしてみたら想定内だからです。
ただ、前期の単位をもう一度落としてしまったという事実に直面したときに、はじめて、
「自分ってクズだな。どうしてちゃんとやらなかったんだろう?」
「詰んだ・・・」
と思ったそうです。
そして、こう言いました。
「こんな自分のことはまったく信頼できないと思うけど、今度こそちゃんとやって、大学は卒業したいんだ。まだ辞めたくない。」
ひとしきり、息子の主張を聞いた夫は、
「お前の人生だ。好きにやれよ。だけど、はじめに決めた以上の学費と生活費は出せないぞ。」
とだけ伝えました。
妹である娘たちは、「あいつ、すごいね。何、あのメンタル。」と笑いました。
大学へ個別面談へ申し込み
そうはいうものの、親としては不安です。
正直、長男の話だけでは、まったく状況が把握できないのです。
ロードマップが描けない。
そんな時、大学の学部の後援会から総会開催のお知らせが届きました。
スケジュールを確認すると、成績や大学生活についての個別面談の時間が設けられているではありませんか。
恥ずかしい気持ちをかなぐり捨てて申し込みました。
そして、事前に大学に電話をして、長男の現状、できれば長男も同席で個別面談に臨みたい旨を伝え、ありがたいことに大学からは快諾していただきました。
当日は、レンタカーを借りて、長男の下宿から学部キャンパスまでの道のりも確認しました。
「もし、車で通うとなったら最高だね。車の中で歌えばいいから、一人カラオケとか行かなくていいじゃん。」
正直、傷付いてなくて良かったなと思いました。
自分の子供が、将来に希望を失ったり、自分に自信をなくしたりすることは、親としてみればとても切ないことです。
そういう状態じゃなくて良かったと思いました。
もちろん「なぜ大学生になってまでこんなに親が大学生活に関わっていかなければいけないのか?」と腹立出しい気持ちもありましたけど。
個別面談では、長男の担任の先生が対応してくださいました。
先生は、長男の成績はもちろんのこと、履修登録した科目の難易度、出欠状況、はたまた来年度以降の時間割まで、今回の相談に必要となるであろう情報をすべて準備してくださっていました。
確認したかったことのすべてに答えていただき、来年度の学部キャンパスでの受講と1年次のキャンパスでの再履修の両立は可能だということがわかりました。
長男は、担任の先生とはオンラインでの面談は何度かしたことがあったようですが、実際にお会いしたの初めてとのこと。
先生から優しく励まされ、とても親身になって相談に乗ってくださったことに恐縮している様子でした。
教務課の担当の方も、いろいろと調べてくださいました。
大学生にもなって親はどこまで関わればいいのかをかなり悩みましたが、大学に相談して大正解でした。
やはり多くの学生さんを見てきている大学関係者の方に相談するのがベストです。
長男の希望通り、大学生活は続行することに決めました。
留年した息子にかけたい言葉

留年の騒動があって、夫とよく長男の子ども時代のことを思い出したりしました。
子供の頃からマイペースで、自分の好奇心に忠実でのんびりしていて頑固。
自閉症スペクトラムも多少入っていると思います。
幼稚園のころは、道端のアリや草花が気になって、幼稚園までの道のりがちっとも前に進みませんでした。
小学生の頃は、給食室の調理の様子や保健室のポスターの掲示に見入って何度も授業に遅れました。
ポケモンやゲームも大好きです。
そういう本質的なものって、ちょっとやそっとじゃ変えられないんですよね。
自分の価値観や生き方を試そうとしている長男
反抗期を「思春期における、自己のアイデンティティや価値観を確立するための過程」と考えるならば、今回の留年の一連の流れは、遅れてやってきた反抗期なのかもしれません。
長男は今年の夏休みは帰省をしませんでした。
泊まり込みのホテルのバイトに行き、夏休みの残りの日々は、下宿先で自炊をし周辺を旅行。自分で作った料理や旅行先で気に入った風景などをLINEで送ってきました。ショッピングモールやちいさなショップでの買い物も楽しんでいる様子でした。
「自分の洋服を自分で買うことが自立の第一歩」と何かで目にした記憶がありますが、まさにその時期がやってきています。
留年はできればしてほしくなかったけど、親のいうことを聞いて過ごしていた時期を卒業し、自分の感性でもって生きてみたいと思った長男の成長過程に必要な出来事だったのかもしれないと今は思っています。
注文を付けたい点は山ほどありますが、そういうことは、そのうち彼の所属する社会で覚えていくのでしょう。
夫の父が、
「バイトに行って金を稼げてるんだったいいじゃないか。コンスタントに金を稼ぐことができるならそれでいい。」
と励ましてくれました。
たたき上げの人の言葉はなんとなく深みがあるような気がします。
お前の人生だ、好きにやれよ
長男の留年がわかった時、
「ずるずると留年するのは避けよう」
「より有利に就職をしていくために、中退の決断は早めにしよう」
そう決心した私たちでした。
この苦境を脱するには、親が正しく導いてやらなければ、と思いました。
でも、今はその考えを改めています。
そもそも苦境でもなんでもなかったかもしれないですし。
「若いんだから好きなように過ごしてみたらいい」
「まあそれでも、25才くらいの時にいったん状況を確認してみようか」
そのくらいの気持ちで見守っていきたいです。
ただ、学費については、自分で準備するという約束に変更はありません。
これまで、下宿先に振り込む食事代込みの下宿代とは別に、昼食や休日の食費や雑費として3万円を本人口座に振り込んでいました。
今はその仕送りをストップしています。こちらでその分をプールしています。2年分の学費くらいにはなるでしょう。
大学入学時に開設した楽天証券で、積み立てNISAの設定をするように伝えているのですが、まだその準備は整っていないようです。
お金の勉強を始めたら意識もかなり変わってくると思うのですが、そのフェーズには至っていないようです。
留年から学べる事

マイナスだらけの留年ですが、そこから得られる学びもかならずあります。
失敗が許されるのは学生の特権です。
進級するための試行錯誤することが、今後の人生の様々な場面で生きてくるのです。
留年することで、自分の課題を克服する力が養われる
何が苦手で留年してしまったのか?
それを克服するためにはどのような方法があるのか?
自分一人で克服するのか?システムや友人に頼るのか?
これって自己理解を深めるとともに、課題に対応する力を養うことにつながっています。
「クラスで会う友達と雑談するように心がけ、情報交換を試みている」という点も成長の1つです。
雑談力は社会で生きていくうえで大事なスキル。そして、周りの人の力を借りることや関心を持つこともいい心がけです。
社会へ出るということは、協働するということですからね。
留年することで、未来の自分を模索が始まる
自分は大学での勉強を続けたいのか?
中退して就職するのであれば、自分には何ができるのだろうか?
自分はどのように生きていきたいのだろうか?
留年を通して、そういうことをリアルに考えざるを得ませんでした。
期せずして、「キャリアデザイン」へつながる一歩だとなりました。
大学生の息子が留年!親として対応したことや息子にかけた言葉。まとめ

我が家の留年事情をご紹介いたしました。
長い文章を読んでくださり、ありがとうございました。
この記事のまとめ
大学生の子どもの留年がわかった時に、親として対応したことは以下の通りです。
- 期間・費用について親の方針を伝える
- 留年した理由を洗い出す
- 単位を取るためにするべきことを明確にする
- 随時振り返りを行い、現状を確認する
- 大学に相談し、不明点を明らかにする
- 子どもの成長段階を見極め、親のかかわり方を適切に変更する
親の心配と不安は尽きませんが、子どもは確実に自分の人生を歩む段階に来ています。
留年した息子にかける言葉としたら、「お前の人生だ、好きにやれよ」。
これに尽きるかなと思いました。
失敗は若者の特権ということ、子どもの人生は子どものもの、ということを親も忘れずにいたいものですね。
そして、困った時にはいつでも相談に乗るけど、親にも親の人生があるということを、これからは息子にも知っていてほしいなとも思いました。